オイルのお話

何でもカサカサよりは少しくらいヌルヌルがいいモリスケです。
今日は硬っ苦しくオイルのお話でもしましょうか。
皆さんオイルはどこのオイルを使用されていますか??
それぞれにこだわりのある方、完全にお店任せの方、いろいろいらっしゃるでしょう。
ALDGATEでは今まで英車&エンフィールドよ用に水面下でテストを続けてきた例のオイルを
4月より本格的に導入いたしました。
そのオイルがコイツ、

BRAD PENN Made in U.S.A
見た事ある人はおろか、知ってる人も少ないのでは??
現在のエンジンオイルはアメリカ石油協会(API)が制定している物が世界基準ですが、
最新の規格は空冷エンジンor旧車エンジンに不可欠なエンジンを保護するある成分が
排除されてしまっているものが多いのです。
その成分とは、
ZDDP成分
ZDDPとはエンジンの耐摩耗性に必要不可欠な亜鉛(Zn)とリン(P)からなる成分で、
数年前までのSH/SJ/SL規格までは0.12~0.14%含有されておりましたが、
最新規格のSMグレードでは0.10%以下にしなくてはならないのです。
なぜ?
ZDDPは環境にとっては有害な成分で、
これらは酸化するとオイルに含まれている洗浄剤を消耗させてゆき、
インジェクション車のO2センサーや触媒に悪影響を与えます。
オイルが汚れるのも早いので3000~5000km(車の場合)での交換が必須となってきます。
しかし最近のベンツやBMW、VWは15,000~20,000㎞オイル交換が不要と
メーカー発行のマニュアルにも記載されており、
オイル自体のロングライフ化が進んでおります。
また、エンジンの構造も変化し、カムシャフトと接触しバルブを押すリフターなどは、
我々の良く知るフラット式から、ローラー式に変わり、
構造的ZDDPに依存することなく、潤滑性・耐摩耗性を維持できるようになっています。
そんな構造のまったく異なるエンジンで同じ規格のオイルを使う事が
正しいのでしょうか?
モリスケは英車とエンフィールドにはZDDP成分を多く含んだエンジンオイルを使用することが、
愛車を長く乗り続けるための最高のチューニングと考えました。
チューニングとは決して、エンジンをカスタムしピストンを換えハイカムを入れ
パワーをあげる事だけではありません。
TUNE=調和です。
クランクのバランスをとったり、ピストンやリフターの重量を合わせたりも立派なチューニング。
そのエンジンに合った良いオイルを選択する事もチューニングです。
モリスケがいろんなオイルでテストして判断を下したオイルがこのBRAD PENN社のオイル。
亜鉛(Zn)0.15%、リン(p)成分0.14%含んでおります。
アメリカのペンシルバニアのブラッドフォードで精製された100%ペンシルバニア産のオイルです。
もちろんパラフィン系の鉱物油。
日本で販売されている有名ブランドのオイルは今やどこも中東産原油から作られた
ナフテン系分子のオイルです。
もちろん100%化学合成オイルが悪いと言ってるのではございやせん。
化学合成オイルはジェットエンジンの発達と共に進歩し、
鉱物性オイルに比べると高い耐熱性を有してます。
オイル分子が極性を持っているので、磨耗面に吸着し、ドライスタート時にも有利とされていますし
低粘度でもしっかりとした潤滑を維持する事ができるので、燃費の向上や、
レスポンスのよさを体感できると思います。
しかし、化学合成オイルに含まれている『エステル』という成分はシールを膨張させ、
シールの性能が良くない旧車の場合、オイルが漏れてくる事が多々あります。
それにトラやBSA、Norton、エンフィールドで日頃から1万回転まわしますか?
油温が150℃超えますか?
性能面でもオーバースペックですし、メリット<デメリットです。
そんな考察をテストを繰り返して、
BRAD PENN OILに移行する事に決定しました。
1,785円/本(946ml)
です。
英国旧車・国産旧車・旧ハーレーにお乗りの方には自信を持ってオススメします。
その他、SR等の国産車には現在WAKO'Sの
4CT-S、もしくはPro-Stageを使い続けております。

現在SRでもBRAD PENNをテスト中です。
SRやその他国産車の場合は、エンジンとミッションが1つのオイルで潤滑されてますので、
その耐摩耗性、熱ダレ、クラッチやミッション等に問題は無いか、テストを繰り返しております。
※この記事はあくまでモリスケの見解です。ショップさん等によって考え方は異なりますので、1つの参考として捉えてください。信じるものは救われます。
by morisuke_aldgate | 2010-04-02 13:54