さらに不機嫌エンフィールド

昼も夜も暑さ忘れずモリスケです。
さてさて今日は昨日のコマンドより不機嫌なヤツがおります。

何のクランクケースかお分かりの方、あなたはだいぶインド通。
妹尾河童よりもインド通。
そーです、最近よく販売車両やら修理やらでお馴染みの、ロイヤルエンフィールドです。
ミッションは別体式ですが、結局クランクケースと固定されているため、
エンジン下ろすときはミッションも付いてくる別体のエンフィールドのエンジンです。
タイミングギアやらカムも取外し、
頑丈にへばり付いたクランクケースを叩かず触らず、ヒンドゥー語で呪文を唱えます。
『バルス』
すると・・・

しもた。ラピュタ壊してしもうた。
ほな普通にクランクケース割ろ。
パカッ。

でてきました~~~~。
デカイ丸いの2つと長い棒1本。
なんせデカイ。
どれだけデカイか、SRのクランクシャフトと比べてみましょうか。

左がYAMAHA SRのクランク、右がエンフィールドのクランクシャフトですが、
インド人のでけぇ!!
こんなにも大きさが違うのはビックリですね。
でかさが違うとおのずと重さも違います。


左のSR400用クランクシャフトが7.66kgに対して、
右のエンフィールド用は10.30kgもあります。
モリスケが筋トレで使っていたダンベルより0.30kgも重たいクランクが
エンジン内で凄まじいスピードで回っております。
このクランクを5,000回転以上で廻すだけの爆発力を持ったエンジンに対し、
クランクシャフトとコンロッドの接合部のベアリング(メタル)が弱かった・・・
フローティングではやはり油圧もオイル管理もさらに神経質にならなければなりません。
今回このエンフィールドエンジンはそのベアリングが何かしらの原因で
ダメージを受け、メタルが流れガタが出ておりました。
流れ出たメタルをオイルの中に発見。

小さなアルミ箔のような破片が見えますか、これが流れ出たメタルで、
このような小さな破片が抜いたオイルの中にいくつか見受けられました。
オイル管理や走行の仕方に問題もなく、走行距離もそこまで伸びて無かったため、
ほかに考えられ得る原因を調査、改善しビッグエンドをニードルベアリング化しなければなりません。
エンフィールドのオイル交換時、抜いたオイルはすぐに捨てず、
オイルに混ざっている異物をしっかり見てみましょう。嗅ぎましょう。
エンフィールドに限らず、英国車も然り、SRも然り、
抜いたオイルに含まれる異物や鉄粉、オイルの量などを分析すると
わかるエンジンの悲鳴が
聞こえてくるかもしれません。
本当に聞こえて来た方は
一度病院に行った方がいいと思います。
by morisuke_aldgate | 2010-07-17 03:09 | 整備日誌