シクネスゲージの落とし穴

吉塚のマイナスイオンことモリスケです。
SRオーナーの方でちゃんとしている方が少ないのが、
【バルブクリアランス調整】
え?なんすかそれ?
ってオーナー様はこの後長くなるので、この辺でバイなら。
わかる方の中にはご自身でされてる方も多くいらっしゃるでしょう。
YAMAHA純正のマニュアルでは、あくまで純正のカムシャフトの場合、
インレット:0.07mm~0.12mm
エキゾースト:0.12mm~0.17mm
との指定となってるので、一般的にインレット:0.10mm、エキゾースト:0.15mmで
合わせる方が多いと思われます。
まずモリスケの経験から、インレット・エキゾーストともに0.10mmで大丈夫です。
もちろん純正カムである事が大前提ですが、エキゾーストも0.10mmで問題ありません。
という訳でいつもの様に0.10mmのシクネスゲージを入れてクリアランスをとります。

見慣れた光景ですがこのシクネスゲージ、
使い慣れない人にとってはわかり辛い、感覚頼りの工具なんですよね。
よく感覚として『ようかんを切るような感触』と表現しますが、
そんなに普段ようかん切る!?
てか切った事ある!?
大体切れてるやろ!?
てかそないしょっちゅう食べへんやん!
食べるにしても、ようかんはよう噛んで食べや。
でないくて、まず感覚が曖昧であること。
あと何よりも走行距離を重ねた車両やオイル管理の悪い車両等で、
バルブトップ(アジャストスクリューとの接点)に凹面ができてると、
シクネスゲージは意味を成しません。
何故だかわかりますか?
シクネスゲージはその凹面を覆い隠すようになるため、
シクネスゲージで0.10mmのクリアランスを正確にとったとしても、
その下に0.10mmの凹面が発生していればシクネスゲージを外した瞬間、
バルブクリアランスは合計0.20mmとなり、
幾度となく調整したところで、カチカチという打音は無くなってはくれません。
イメージしにくい方の為にわかりやすく絵で説明しましょう。

絵心の無いモリスケが書いた絵なので更にわかりにくいかもですが、
赤い部分が走行を重ねてできてしまった凹面と考えてください。
アジャストスクリューに押されて出来た凹面ですから、
当然シクネスゲージを外すとアジャストスクリューはこの凹面にソフィボディフィットします。
つまり、
【水色のシクネスゲージの厚さ+赤い凹面の深さ=あなたがとったバルブクリアランス】
ってことになりますわね。
凹面の深さににもよりますが、まぁ大抵は規定値を超えます。
カチカチ打音はとまりません。
じゃあどないしたらいいねん!?
答えを知りたい方・・・・・・
詳しくはWEBで!!
あ、これWEBやんね。
答えは差し上げません。
ヒントを差し上げるので考える力をつけましょう。
ここからは象印の提供ではないものの、ヒントでピントです。
ヒント① アジャストスクリューはM8/ピッチ1.0の細目のボルト型
ヒント② ピッチ1.0とはねじ山の山と山との間は1.0mmである
ヒント③ つまり1周(360度)廻す事で1.0mm上下する、という事は
ヒント④ 指で締めこんでバルブヘッドに当った所から360度緩めると1.0mm隙間ができる
ここまでヒントを出せばもうお分かりでしょう!
池上彰でもこんなにヒントは出してくれません。
シクネスゲージで正確にクリアランスをとって、問題ないことに越した事はありませんが、
何度シクネスゲージで測ってもどうもクリアランスが広い方の最終手段として使ってみてください。
指でロッカーアームを動かして基準値内か否か解るくらいの感覚が備われば完璧です。
モリスケのTritonもSRも両方ともこの方法でクリアランスとってます。
TritonとSRとではアジャストスクリューのピッチが違う為、
アレは異なりますが、やり方は同じ手法です。
そもそもバルブの虫食いの多い英車で良くやる手法ですが。
by morisuke_aldgate | 2010-12-05 04:49 | 整備日誌