クラッチスプリング

モリスケです。
おかげさまで皆様より多くの義援金のご協力を頂き、
ALDGATEの募金箱がパンパンになって参りましたので
3月31日をもって第一弾を被災地宛に送りますが、
今後も継続して募金のご協力をお願い致します。
被災地への救援物資の協力や献血は、震災後直後は多くの方が動き、
大口の救援物資の募集や、献血センターの行列がありましたが、
徐々にそのような支援ムードが薄くなりつつあります。
被災地の復興、被災者・避難者の不自由を強いられる生活は依然として大変なもので、
今後も長期に渡って全国からの支援を必要としてますから、
ALDGATEでも継続して義援金のご協力を賜りたく存じます。
よろしくお願い致します。
さて、先日近所にお住まいの若き青年にお買い上げ頂いた車両です。

納車整備はよくこのブログで言うところの、
ピボットシャフトやブレーキシャフトの分解・グリスアップはもちろん、
タイヤも各種ワイヤーも新品に交換し、一通り整備を終えた後に
どーもニュートラルに入りにくいことが判明。
入らないくはないけど、なんとなく硬い・・・
クラッチが完全に切れていないような感触があったので調整したものの、
調整だけでは完全に改善されなかったので、
クラッチの分解・点検をすることにしました。


クラッチボスにガタやプレートによるバリは出ていないし、
プッシュロッドやアジャスターの磨耗も許容範囲であったため、
残る可能性はクラッチのプレート。

原因はこのプレーンのクラッチプレートにありをりはべりいまそがり。
このプレートが歪んでいた為に、
クラッチを切ってもフリクションプレートと一定の摩擦係数を保ちながら回転するため
クラッチが切れにくくなっていたのでありまして、
当然クラッチが切れにくいとニュートラルには入りにくくなります。
というわけで、クラッチのプレートをすべて新品に交換して組み直します。
新品のフリクションプレートはこの様にしばらくオイルにドブ漬けしてから組み付け。

意味わかるかな?
あとはクラッチスプリングを6個取り付けて・・・・・
そこでアレを取り付けました。
アレですよアレ、いま巷で誰かが流行らそうとしているあのクラッチスプリングを。

下の段の6本が08年までのキャブ車に採用されていたスプリングで、
上の段が09年からのFI車に採用されたへなちょこスプリング。
2本並べてみると、

(左)08年式までの従来品 (右)09年式以降のFI車用
長さの違いが一目瞭然ですが、スプリングのコイルの太さが同じで、
ピッチが狭いと柔らかくなるのは原理原則ですが、
メーカーの曰く30%クラッチが軽くなる、だそうです。
スプリングコンプレッションテスターで計測するとスプリングの強さは約25%減でしたが、
それが30%減になる真相は不明です。
ま、柔らかいスプリング入れたなら当然クラッチレバー握る力も小さくてすみますが、
スプリングが柔らかくなるということはクラッチプレート同士を押さえつける力も
弱くなっているという事ですからそこは慎重に判断しましょう。
エンジンの仕様によってはオススメしません。
『排気量400㏄のまま+FCR等の強制開閉キャブ仕様』
あたりが安全パイであると考えます。
てかSRのクラッチってもともと大して硬くないし~~~~。
硬いクラッチはどこかが悪くなってるから硬いのであって、
それを改善せぬままスプリングだけ柔らかくして
クラッチが柔らかくなったぁ~~~!って喜んでるなんてお粗末よ。
お粗末君よ。
ちゃんと整備されたクラッチは従来のスプリングでも柔らかい。
油圧クラッチKITはALDGATEでは取付しませんが、
純正部品を用いてのクラッチ系統O/Hは喜んで承ります。
油圧クラッチKIT買うこと思えば、お釣りが来るぜよ。
ちなみに上記の工程の工賃や部品代は全て【納車整備代】に含まれております。
あなたが買ったバイク屋さんの納車整備はどんなでした?
【納車整備代】で払った金額に見合う整備はされてました?
グリスは?ブレーキは?フォークは?クラッチは?
ちなみにこの車両にはついでにこんなデコンプも付けてみました。

右下のレバーが今回取り付けたデコンプレバー。
よく英車の進角レバーやチョークレバーに使う物ですが、
ワイヤーの加工をしてデコンプレバーになりました。
by morisuke_aldgate | 2011-03-25 03:02 | 整備日誌